始動

2/29
1178人が本棚に入れています
本棚に追加
/680ページ
「これ、差し入れです」 誠は部屋の真ん中の小さな折りたたみ机の上にコンビニの袋を置いた。 「お!さすが!気が利くなぁ。ちょうど朝飯にしたいと思ってたんだ」 「私も明けで食べてないので、ついでです」 どうぞ。とサンドイッチとカフェオレを取り出してベッドに腰掛けているパンツ一枚の宮部に渡す。 「サンキュー!」 サンドイッチを開け、口に含んだところで何かを思い出したように宮部は立ち上がった。 「そうそう、これ見てくれ!」 宮部は仕事用の鞄の中から一枚の紙を取って、机の上に置いた。 「なんですか?これ……リスト?」 「おうよ!お前と巡るべき史跡をリストにしてみたんだ。まぁ、言わば旅の友みたいなもんだな!」 「わざわざ作ってくれたんですね!ありがとうございます」 「仕事中に空いた時間で作ったんだ、気にすんな!」 誠はリストに目を落とした。 リストの日程部分は自分で書き込めるようになっている。
/680ページ

最初のコメントを投稿しよう!