序章

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「池田屋……だよなぁ。……多分」 誠は半年前に大学時代の友人の誘いで京都旅行へ行ってからというもの、度々同じ夢を見るようになっていた。 自分がまるで新選組隊士にでもなって、例の友人に何度も聞かされた、様々な歴史的場面を疑似体験しているような、そんな夢。 最初のうちは、新選組縁の地を巡らされ、彼らについての熱い想いを聞かされたせいだと思っていた。 けれど……もう、半年もである。 「さすがに気味が悪いなぁ……」 誠は元来オカルト的なものには一切の興味は無い。 寧ろそういう得体の知れない話は苦手としていた。 しかし、いざ我が身に週に二、三度を半年も続けて同じ夢を見るという不可思議な現象が降りかかれば、さすがにスピリチュアルな何かかと思わずにはいられなくなる。
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