前夜

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沖田も同じことを思ったようで、部屋に気まずい沈黙が漂った。 「あ、えっと……その……」 先に沈黙を破ったのは沖田だった。 「私は押入れで寝ますから、大丈夫ですよ!」 「あ、いえ!そんな!それなら私が!!」 拾ってもらって、寝るところまで貸してもらって、押入れで寝かせるなんてとんでもないと、凛は慌てて身を乗り出した。 「あははははっ!」 凛の慌てふためいた姿を見て、沖田の軽快な笑いが響く。 「貴女は本当に面白い人ですね!貴女みたいな女性は初めてですよ」 「そ、そうでしょうか?」 「ええ、特に京に来てからと言うもの、女性とは皆澄ましていて腹のうちの見えぬものだと思っていました。でも、どうやら貴女は違うようだ」 「そんなに顔に出てますか?……私」 「ええ、とても。でも、私は腹の底が見えない人よりも、貴女のように明け透けな人の方がいい」 明け透けという表現は如何なものかとも思ったが、どうやら沖田に気に入られたようで、悪い気はしなかった。それに、 「沖田さんも、同じですね」 そう思ったから、嬉しくもあった。
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