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「そうですね。私も隠し事は苦手な人間ですから」
やんわりと涼やかな笑みを浮かべる沖田を見て、まだ会ってそんなに時間も経っていないと言うのに、とても居心地のいい人だと、凛は思った。
何だかずっと前から知っていたようなそんな気さえした。それは凛が数々の書物を読み漁り、事前に沖田という人間を知っていたからと言うのもあるかも知れないが、それとはまた違う感覚だった。
「さぁ、今度こそお休みになってください。どうか私を『女性を押入れに放り込んだひどい男』にしないでくださいね」
沖田は凛が思っていた以上に気遣いの上手い男だった。このように言われては、凛が身を引く他はない。
「ありがとうございます。じゃあ、お布団お借りしますね」
「ええ、どうぞごゆっくりお休みなさい」
行灯の灯りを消して、沖田は押入れに入っていった。
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