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「沖田が女連れ込んだってぇーー!?」
翌朝、凛はドタバタと部屋に押し掛ける無数の足音で飛び起きた。
「きゃあぁぁぁぁっ!!!!」
開眼してすぐ、凛は悲鳴をあげた。
驚くことに、自分の周りを四人の屈強な男達が取り囲んでいたのだ。
顔を食い入るように見ようとしてくる彼らはまるで、獲物に群がる狼のようで、凛は慌てて布団に潜った。
「一体どうしたんですか皆さん。まだ明け六つの鐘も鳴っていないと言うのに」
沖田は目を擦りながら、のそのそと押入れから這い出てきた。
「オイオイ総司!これが騒がずにいられるかってんだよ!……って、何でお前ぇそんなとこから出てきてやがんだよ」
「え~、だってですよ原田さん。私が一緒に寝てしまっては、お凛さんがゆっくり休めないじゃないですか」
「バカ野郎!女連れ込んでおいてそれはねぇだろ!」
「連れ込んだ!?いえいえ、永倉さん、そんなんじゃないですよ!」
「……私がいない間に、よもやこんな事が起きようとは……」
「だから、誤解ですってば斎藤さん!」
「まぁ、何にせよ……ようやく総司にも春が来たってことだな!」
「勝手にまとめないでくださいよ、藤堂さん!……そんなことより、皆さんが騒ぐからお凛さんがすっかり脅えてしまったではないですか」
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