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沖田は矢継ぎ早に繰り広げられた質疑応答を一通り終えると、目下の布団を指さした。
沖田とその他四人が見下ろしたそれは、微かに震えているように見えた。
「わ……悪ぃ、脅かすつもりじゃなかったんだ」
布団の上で次々に繰り広げられる問答に、凛は密かに耳をそばだてていた。
沖田が凛を連れ込んだという運びになりかけているのは、何とも忍びない。
彼に迷惑がかかるのは何としても避けたいし、自分も一緒になって反論したいが、男性に対しての免疫が極端に乏しい凛にとって、初対面の、しかも歴史に名を残しているほどの人物との対話など、相当ハードルが高かった。
ーーそれに、どういう顔で布団から出たらいいのよ……。
布団から飛び出る勇気を出せず、更に深く毛布をかぶった時、
「お凛さん、大丈夫ですよ。ちょっとお顔を出してくれませんか？ちょうどいいので、皆さんを紹介したいのですが……」
沖田が、布団の上から軽く凛の頭を撫でるようにして、そう声を掛けた。
ーー沖田さん……。
彼がそう言うなら……と、柔らかな声に、少し緊張が和らいだような気がして、凛は軽く息を吐き、ゆっくりと顔を覗かせた。
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