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そのあと、いくつか小言を母からもらってから電話を切った。 いつの時代もそうなのだろうが、母親というものはなぜこうも小うるさいのだろうか。 ふぅっとため息を吐いて、ベッドに寝転がりながらそんなことを思った。 「健二の奴も帰ってないのか。まったくあいつだけでも帰ってくれれば、少しはうるさいのも減るのに」 身勝手なことを言いながら、スマートフォンを手に取り、SNSのアプリを開く。 かつては一家に一台だったパソコンが、一人に一台に変わり、そして、いつしかその役目はスマートフォンに取って代わられていった。 その気軽にインターネットに繋げられ、手軽にパソコンとほぼ同等のことができるのが受けたのだろう。今ではスマホ依存症なる病名が出てくるほどになっていた。 画面の中央で、ネットワークに繋ぎ、情報を読み込んでいることを表すアイコンがくるくると回っているのを見ながら、そんなことを考えていた。 やがて、読み込みが終わり、画面の上部にある検索窓にキーワードを打ち込む。 『ただはる』 打ち込みが終わり、虫眼鏡のアイコンをタッチすると、再び読み込みをしていることを表すアイコンが回りだした。 それにしても、急にスマートフォンだなんて。一体どうしたんだろう? いくら考えてもあの父が、スマートフォンを買ったなんてことが信じられなかった。 すると画面がパッと切り替わり、ズラッと項目が並べられた。 これだけの量からたった一人を探すっていうのは普通ならやらないだろう。 だが、父は昨日から今日にかけてアカウントを作ったのだろう。 ならば、その日にかけて探せば簡単にみつかると思い、私は画面をゆっくりとスライドし、それらしいアイコンを探した。 「だめだ、見つからない!」 そうだ、さっき自分で言ってたじゃないか。一人一台になっているスマートフォン。こうしている間にも世界中で増えている。ならば必然的にこのSNSを始める人も増えるわけだから、アカウント名だけで探すのはかなりの労力を必要とするのだ。 諦めて直接お父さんに聞こうかな。 そう思いながら、スライドしていると一つのアイコンに目が留まった。
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