笹松 真白(1

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大学に向かう道中 「そう言えばお前が今日俺の部屋に来た理由はなんだ?もしかしてあれか??」 「流石ヒロ、そのもしかしてのあれをお願いしたくて。」 ここで言うあれとは別に少しも変な事ではないと断言しておこう。 真白は講義の課題,レポートの提出日が近づくと毎回俺の部屋を訪ねてくるのだ。 「また終わらせてないのか、はぁ~~。」 「そんな面倒な態度取らないでよ!私だって忙しいんだしこんな可愛い私が頼って来てくれてるなんてそれこそヒロは役得なんだよ~。」 上目遣いをしながら平然とこう言うことを言ってくる真白にちょっとイライラしている自分に気づく。 「お前は俺と違って友達多いんだし連絡して教えてもらえよ。」 そう、真白は可愛く、誰にでも接する為俺とは違い友達が結構多い。 それに比べ俺なんて基本1人で生活している為こいつとは真逆の大学生活を送っている。 「いやいや、ヒロ頭良いしわかりやすいんだよね~。しかも頼めば見せてくれるから感謝してるんだよ~口うるさいところが傷だけどね!」 「そうか、少なくともお前の為に言ってるつもりだったが口うるさいと言われるなら今日印刷して提出しようとしていたコレはいらないな。」 そう言い俺は今日出すレポートのデータが入っているUSBをチラチラ真白の頭の上辺りで見せる。 「ごめんなさい、ヒロ様仏様。どうか愚かな私にそのデータを頂けないでしょうか?」 こいつ手の平返すの早いなと思いながらも、 「残念だが今回はお前の為にあえて渡さないでおこうと思うのだよ。(笑)」 そんなこと言いながら真白の頭の上辺りに向けてたUSBを片付け用とした時、 「片付けさせるかぁー!!!」 そう叫びながら真白がUSBを奪う為に腕を掴んで来た。 「おっおい、こんな所で暴れるな!」 「ヒィロォが、素直に渡せば止めるんだよぉ~」 「誰が、そんな身勝手な奴に渡すかぁ~」 とお互い力を入れて取り合ってるとUSBが手から抜け落ち、坂道を転がりながら下って言った。
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