ママフリマ

「保育園用の洗い替えが要るから数があるのは助かるけど……それにしてもこれ全部は要らないと思うな」

「そう」

チサトは少しがっかりした。アユミの娘が着てくれれば思い出の服も生き返ってくれると思ったのだが。

「ねえ、これ、フリマに出してみたらどう？」

「フリマ？でも、売る物がこれだけなのに。それにブース借りる手続きとか、面倒じゃない」

「違う違う。ネットのフリマサイトよ」

「へえ。ネットオークションみたいなもの？」

「オークションより簡単。ほら、オークションだと思った通りの値段で売れるとは限らないし、買う側だって買いたい値段より高値がついて買えなかった、とかオークションが終わるまで待たなきゃいけない、とかそういうことがなくてすむ」

「ふうん」

「実は私もやってるの。子どものものって短い間しか使わないものが多いでしょう。だから安く済ませたいお母さんが多いの。タケルのおさがりだってけっこう売れるわよ。ブランド物でこれだけ状態よかったら思い切って高値つけても大丈夫」

「でも、そこまで……」