面接

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 家の近くでアルバイトをしよう。そう考えた私は足を使って情報を集めた。都会とも田舎とも言えない慣れ親しんだ風景を注意して見ると、いつも歩いている道が違った景色を見せてくれる。なんだか楽しくなってきた。  調子に乗って普段は通る事の無い路地にも足を踏み入れる。すると、店頭に貼られた大きなアルバイト募集のポスターが視界に飛び込んできた。 「店内スタッフ、デリバリースタッフ急募? ああ、ピザ屋か。お兄ちゃんがピザ好きなんだよね。店長の早川まで気軽に連絡下さい……か」  職種にこだわりなんて無い。  ピザ屋なら友達や彼氏も作れそうだし、ピザを安く買えればお兄ちゃんも喜ぶだろう。そんな単純な気持ちで、アルバイト希望の電話を掛けてみる事にした。
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