万全の準備

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 二ヵ月なんて、振り返ればあっという間だった。クリスマスイブを明日に控え、お盆の時の様に緊急ミーティングが行われる。  バイクの数も二台増え、一ヵ月前に新しく採用された長尾君もデリバリーとしてシフトに入る。彼は私と同じ学年だけど、既にバイクの免許は持っているのだ。過去最高の人数で、お盆の時よりもドキドキしてきた。 「明日の昼間はそんなに売れないだろう。だが、夜だけでお盆一日分の売り上げに匹敵すると考えてくれ。では配置を発表する」  前回はサイドメニューの担当だった私は、ピザのトッピング担当へと変更された。そして、里子さんもトッピング担当。ピザの土台となる生地を作る担当は店長だ。そうなると、店長でも辛そうだったピザのカットは誰が行うのか? どうやら、里子さんの彼氏がやるらしい。但し、一人ではとても捌けないので新人のスタッフと二人で対応するとの事だ。 「電話番はお届け時間を一時間で伝えてくれ。変更は随時伝える」  普段は三十分で届けると伝えるのだが、クリスマスだとそうはいかない。既に十七時から二十時迄の予約だけで、大丈夫なのかと不安になる程の注文が入っている。  そして、クリスマスイブを迎えた。
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