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誰とも交わることもなく、朽ちて消えゆく。
誰とも心を通わすこともなく。
体を重ねることもなく。
たったひとりで生きていく。
あと何十年も、気の遠くなるくらい、ずっと。
十九の誕生日を迎えて。
ルイは深い溜め息を漏らした。
空気のように当たり前のように。
そこにある寂しさ。
ルイを包み込んでいるのは。
そんな寂しさだけ。
こんなことを考えていたら。
ほら、息がおかしくなって。
胸が苦しくなってきた。
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