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「あんれ?海に行く筈が、また森の中へ入っていくぞ?まいいか。匂いを嗅いでりゃ、港へ行けるっしょ?」
くんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんか・・・
「あ、電車の線路だ。ここをまたいだのかな?よっこらしょっと。」
ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタン・・・・
「ひいーーっ!!電車がやって来た!!ダーーーーッシュ!!」
ぴょーーーーん!!
「なっ!!向う側からも電車が!!」
ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン!!
「ひえええーーー!!」
ガタンゴトンガタンゴトン・・・
「ふぅーーーー・・・電車に轢かれて死ぬかと思った!!
丁度轍に填まってうずくまってたら行っちゃった!!」
命拾いして線路の向う側に何とかたどり着いたキィオは、興奮でハアハアと肩で息をしていた。
そこに・・・
ぴょっこり。
「あのぉ、線路の立ち入りは法律で禁止になっとるんですけどぉ?」
1匹のタヌキがビーグル犬のキィオに忠告してきた。
「ギロッ。」
「何だよわんちゃん?」
キィオに羨望の眼差しを受けたタヌキのポクは、冷や汗をかいた。
「いたァァァァ!!アライグマみーーーっけっ!!アァァァァ!!アライグマだァぁぁぁぁぁぁぁ!!」
突如、タヌキのポクは訳もわからずに犬のキィオに追いかけられた。
「ヒイイイイイ!!俺はァァァァ『アライグマ』なんかじゃねぇェェェェ!!俺は『タヌキ』だァァァァーー!!」
「なーんだ。あれ、『タヌキ』か。余りに似てるからすっかり間違えちゃったぜ。
あ、そうだそうだそうだそうだ!!」
キィオは、見失ったアライグマの匂いを地面を嗅ぎまわって探しだし、再びクンカクンカとアライグマ親子の後を辿った。
くんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんか・・・
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