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「ひゃっほぉーーーーー!!わっはっはっは!!」
ビーグル犬のキィオはアライグマの街を飛び出すと、狂ったように米国の街を駆けずり回った。
「アライグマさんのおかげで、何だかスゲーーふっきれたしーーーー!!
アライグマを逃して帰ってきたから、セルパの奴のお仕置きが超怖いしーーーー!!
それ以前に、にっぽんに帰ることは考えなかったせいで、もうにっぽん帰れなくなっちゃったしーーーー!!
もーどーでもいいやーーー!!」
キィオは米国の地で、
ゴミ箱の生ゴミを食い荒らして、にっぽんと違うカロリー高い食い物に舌包みしたり、
今度は肥りすぎて、大陸横断して駆けずり回ったり、
その途中で大リーグのグラウンドやバスケのコートに乱入して全米の注目を浴びたり、
時には大都会の地下を塒にする、捨てられたペット達の集団に厄介になったり・・・
ざざ・・・ん・・・
ざざ・・・ん・・・
ざざ・・・ん・・・
ざざ・・・ん・・・
そして今、ビーグル犬のキィオは米国のとあるビーチで海の家でくすねてきた、アライグマ型のエアーマットの上で寝そべっていた。
ギラツク太陽。
いい気持ち。
まるで、ホットドッグになって焼かれる気分。
まんべんなく、まんべんなく、まんべんなく、まんべんなく、
裏も表も。
人間のビーチ客が捨てた残飯を拾い食いしながら、目にはこれもビーチで拾ったサングラス。
雲ひとつない真っ青な空似、陽気な飛行機が、
『welcome beach!』
の横断幕を棚引かせて飛んでいく。
・・・あーーーUSA・・・
・・・自分はUSAに居るんだ・・・
ざざ・・・ん・・・
ざざ・・・ん・・・
ざざ・・・ん・・・
ざざ・・・ん・・・
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