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これは、1ヶ月前に遡る。
ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。
「おもしれえェェェェェェェェェ!!!!!」
市民公園の遊歩道に鬱蒼とした面した林の側で、野良ビーグルのキィオはたまたま拾った、くわえたり投げたりすると、ぱふっぱふっ音がするボールを蹴ったり口でくわえて投げ飛ばしたりして、独りで夢中になって遊んでいた。
ぶん!ぶん!ぶん!ぶん!
ぽいっ。
ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。
ぶん!ぶん!ぶん!ぶん!
ぽいっ。
ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。
「今度は遠くへ投げてみよっと。」
ぶーん!ぶーん!ぶーん!ぶーん!
ぽいーーーっ。
ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。ぱふっ。
ずんっ!!
「?」
見知らぬビーグル犬が、転がっていったボールを脚で捕まえて仁王立ちしていた。
「あのぉ・・・ひとのボールを勝手に遊んでんじゃねぇんだよ・・・」
ビーグル犬はボールをくわえて、不穏なオーラを放ってズンズンと近づいてきた。
「あ・・・あ・・・すいませ・・・」
「ぶっ!おえっ!!」
相手のビーグル犬は鼻を前肢の指で塞いだ。
「な、なんだよぉ!」
「カラスくせぇ!!」
・・・ぎくっ・・・
・・・こいつ、ビーグル同士だからかなあ・・・?
・・・自分がカラスから生まれ変わった正体が・・・?!
「す、すまん。カラスを今さっき・・・お、追い払ったからかな?」
「本当かーい?」相手が威圧するように上目使いで言ってきた。
「本当だよー。」キィオはそう言うしかなかった。
・・・ふう・・・危なかった・・・!!
「じゃあ、お前に聞きたいことがある。」
「なあに?聞きたいことって?」
「とぼけんな!!ひとのボール盗みやがって!!」
「盗んでなんかいません!!」
「盗んだね。ほおら、ここに俺の名前が書いてある。」
相手のビーグル犬は、ボールの表面に油性マジックで『セルパ用』と書いてあるのをキィオの顔を掴んで見せ付けた。
「自分・・・字が読めない・・・」
「ざけんな!!おい!!」
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