3#「アライグマを連れてこい!!」

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 「じゃあ、アライグマを連れてこいや。」  「あらいぐま?」  「そうだ!!アライグマだ。」  「ラス●ルのぬいぐるみなら、近所の自分の宝箱に・・・」  「違う!!生きたアライグマだ!!  俺はな!!この国の生態系を荒らす外来種駆除専門の猟犬だ。  そう!!俺こそが、名うての外来種駆除のプロフェッショナル!!『セルパ』だ!!」  ・・・おめえが『名うて』って言うなよ・・・  「プッ!」  「あ!今、プッと吹き出しただろ!!」  「してません!してません!」  一瞬ムッとしたセルパに、キィオは慌てて否定した。  「そのアライグマなのだが・・・おめえ、テレビ観てるかい?」  「野良犬だから観てませぇーん!!」  「あっそう!!じゃあ、無知なお前に教える。  今巷の話題を浚ってるバラエティ番組の『凶悪害獣を殲滅せよ!!』つー番組で、各地で人的被害を及ぼしてるアライグマ親子が、貨物船に乗って米国へ高飛びしたらしいんだが・・・」  キィオはゴクリと唾を飲んだ。  「お前にそいつを捕まえて、雁首揃えて俺のとこへ連れてこいよ!!  名うての外来種駆除のプロフェッショナルと詠われる『セルパ』のメンツの為にな!!」  ・・・だから、おまいう・・・  「プッ!」  「あっ!!また吹き出したな!!」  「いやいや!何でもないです!!」  「今、その逃亡アライグマの匂い付きの『ブツ』を持ってくるからちょっと待ちな!!」  ビーグルのセルパは、後ろを向くとガリガリと地面を掘り、中から出てきたカラスの羽根を口先にくわえてブルブル震えながらこう言った。  「こ、これが・・・現場に堕ちてたか、カラスの・・・羽根だ・・・あ、アライグマはか、このカラスを狩ってし、食糧にしたら、らしいんだ・・・」  ・・・カラスを狩った・・・?  キィオは、自らも『カラス』だったので複雑な気分になったが、とりあえずキィオは、表面にまだこびりついたアライグマの涎の匂いをクンカクンカと嗅いで脳内にインプットした。  「で、君は何でカラスの羽根をブルブル震えながらオッカナビックリ持ってる訳?」  「お、俺は・・・カラスが大の苦手でしてな・・・ブルブル」  「カラスが苦手ってなんだよお?自分は昔カラス・・・」「は?」  ・・・ギクッ・・・!!  ・・・やば・・・自分の正体が元カラスだとバレそうにまたなった・・・  
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