Fragrant④

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「…今野?」 鼻息の荒い今野は、何も言わない。 ただ、俺にしがみ付いているだけだった。 「ちょっ…。放してくれよ」 そう言うと、今野は俺を布団の上に押し倒した。 「ツッ…」 いきなり押し倒されて、俺は思い切り頭を打った。 「何するんだよ?!」 今野を見ると、目がギラついていた。 蛇に睨まれている蛙みたいな気分になった。 「今野?」 「…ゴメンッ」 今野は謝ると、俺の首元に顔を近づけてきた。 今野は、息を荒くしながら俺の匂いを嗅いでいた。 普段は髪しか匂いを嗅がれたことがなかったから、驚いた。 首に今野の鼻息を感じる。 「ンッ…」 くすぐったいのと、ゾクゾクとする快感が混じる。 「ヤメッ…!」 首元から脇へと、顔を近づけられたときには、焦った。 今野の顔を離そうとしても、今野は離れなかった。 主張した今野のモノが、俺の脚に当たる。 「待てっ!止めろ。止めてくれ!!」 叫んでも、顔を上げない今野に、俺はキレた。 「止めろって言っているだろ!!」 脚に当たっている、今野のモノを蹴り上げた。 今野は、一度顔を上げてから、股間押さえながらうずくまった。 「ハァ、ハァ…。落ち着け。まずは、話し合おう。もし、これ以上暴走するなら…、これから一生、匂いを嗅がせないぞ」 股間を押さえている今野の背中に、言葉を投げかけた。
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