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「…今野?」
鼻息の荒い今野は、何も言わない。
ただ、俺にしがみ付いているだけだった。
「ちょっ…。放してくれよ」
そう言うと、今野は俺を布団の上に押し倒した。
「ツッ…」
いきなり押し倒されて、俺は思い切り頭を打った。
「何するんだよ?!」
今野を見ると、目がギラついていた。
蛇に睨まれている蛙みたいな気分になった。
「今野?」
「…ゴメンッ」
今野は謝ると、俺の首元に顔を近づけてきた。
今野は、息を荒くしながら俺の匂いを嗅いでいた。
普段は髪しか匂いを嗅がれたことがなかったから、驚いた。
首に今野の鼻息を感じる。
「ンッ…」
くすぐったいのと、ゾクゾクとする快感が混じる。
「ヤメッ…!」
首元から脇へと、顔を近づけられたときには、焦った。
今野の顔を離そうとしても、今野は離れなかった。
主張した今野のモノが、俺の脚に当たる。
「待てっ!止めろ。止めてくれ!!」
叫んでも、顔を上げない今野に、俺はキレた。
「止めろって言っているだろ!!」
脚に当たっている、今野のモノを蹴り上げた。
今野は、一度顔を上げてから、股間押さえながらうずくまった。
「ハァ、ハァ…。落ち着け。まずは、話し合おう。もし、これ以上暴走するなら…、これから一生、匂いを嗅がせないぞ」
股間を押さえている今野の背中に、言葉を投げかけた。
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