Fragrant①

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「沢村ぁ~、今日も素敵な匂いだな」 挨拶代わりに、俺の髪に鼻を突っ込む匂いフェティシスト、今野 祐太が寄ってきた。 「おはよー、今野」 「俺がプレゼントしたシャンプーとリンス使ってくれているんだ?」 「あぁ。せっかく貰ったんだから、使わないと」 「沢村をイメージして作った甲斐があったな…。―――…最高」 椅子に座った俺を抱きしめ、今野は、まだ、髪の匂いを嗅いでいる。 今野の母親は、化粧品やシャンプー、石けん、芳香剤、入浴剤などに使われる香りを調合する仕事、調香師である。 今野は、母親の手伝いついでに、香料会社や化粧品メーカーでアルバイトをしているらしい。 そして、俺が使っているシャンプーは、今野が調合した香りのシャンプーだった。
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