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「沢村ぁ~、今日も素敵な匂いだな」
挨拶代わりに、俺の髪に鼻を突っ込む匂いフェティシスト、今野 祐太が寄ってきた。
「おはよー、今野」
「俺がプレゼントしたシャンプーとリンス使ってくれているんだ?」
「あぁ。せっかく貰ったんだから、使わないと」
「沢村をイメージして作った甲斐があったな…。―――…最高」
椅子に座った俺を抱きしめ、今野は、まだ、髪の匂いを嗅いでいる。
今野の母親は、化粧品やシャンプー、石けん、芳香剤、入浴剤などに使われる香りを調合する仕事、調香師である。
今野は、母親の手伝いついでに、香料会社や化粧品メーカーでアルバイトをしているらしい。
そして、俺が使っているシャンプーは、今野が調合した香りのシャンプーだった。
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