*第3章* 一人と一羽と時々騒音の生活

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またじわじわと痒みが始まる予感がしてきたP氏は、自分の状態に集中していた。 その矢先に部屋から物音がして、集中が途切れた。 目を向けるとその先には、自分の頭や腕等あらゆるところを掻き毟る、A氏の背中があった。 「掻き毟る。」というよりは、「掻き壊す。」 まるで、自分の肌の上に被された、邪悪なシールのようなものを爪で一生懸命に剥がしているかのように。
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