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そこの家の主人であるA氏を後ろからじっと見つめている黒い影がある。
つぶらな瞳、ほぼ黒尽くめの装い、その後ろ姿からは気品さえ感じられ、恐らく彼が街
中を歩いていたとすれば、すれ違う人は彼を見る為にわざわざ皆後ろを振り返るとこだろう。
その正体は、九官鳥のP氏。
彼はA氏に振り返って笑って欲しい訳でも、お腹が空いていて食べる物を乞いたい訳でもない。
只々、じっと見つめている。
九官鳥のP氏は、A氏のことが好きだとは言い難かった。
それでも九官鳥のP氏は、日がな一日A氏を後ろから見つめながら1日1日を送っていた。
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