*第2章* 三人と一羽の生活

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ところがある日、転機が訪れる。 そう。 それは、そんな日々が夢を見ていただけなんじゃないかと自分を疑ってしまう程に呆気なく簡単に。 彼女達の姿が見えなくなった。 あの可愛い笑い声も、優しい微笑みも、P氏が話す事を求める甘い欲求も。 時々漂ってきた、焼きたてのクッキーの香りも、うっとりする様な香水の香りも。 P氏の事を思い、絶妙な具合に開けられたカーテンから射し込んでくる柔らかい日射しの温もりも。 一瞬にして無くなってしまった。 ただあるのは、お酒の匂いとゴミだらけの部屋の景色と、開けっ放しの窓から入ってくる太陽の光の中に舞い上がって見える埃だけだった。 そして、A氏の背中。 その頃から、P氏は話す事を一切していない。
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