*第2章* 三人と一羽の生活

3/3
前へ
/8ページ
次へ
P氏は兎にも角にも、帰ってくると思いしばらく女神たちを待っていた。 以前にも、母子だけで何日間か家を空けることもあったし、そして何よりもP氏を忘れたり悲しませたりするなんてことはないと思っていた。 P氏には時計を見る能力はなかったけれど、外が暗いか明るいのかくらいは判別が出来た。 そうそれは、P氏が7回目の夜を迎えた時。 P氏の中で大きな大きな音を立て、心のシャッターが閉まる音が確かに聞こえた。 「ゴゴゴゴゴゴ.....」 何度も何度ももがいて水面に上がっても、実験の為にその度に人間に沈められたネズミの様に。 そう、その正体は 絶望。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加