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退屈だ。
五時間目の授業が終わって昼休憩に入る。
昼飯を食べた後の気だるい眠気を解消すべく、俺は机に突っ伏して、惰眠を貪ることにした。
したのだが。
「よーよーナオフミ~! 今日終わってからどうするー? あ、マージャンする、マージャン! 今日は俺とお前とタクミで、ユタカん家でやろうかってなってんだけどさ!」
机をバンバンと叩きながらアキラが好き勝手いるせいで眠れやしない。
っていうかおい、俺が既に面子にはいってるじゃねーか。
誰が暇人だ誰が。
「……おーじゃあやるか。小遣い稼ぎに」
机から顔を起こしアキラに向かって挑発する。
最近ウチのクラス……というか俺の仲間内で麻雀が流行ってしまっている。
正直この遊び自体は面白くないのだが、俺以外の人間が余りにも弱いせいで一人天下だ。
案の定、俺の安い挑発にアキラは乗ってきた。
「おっ、ちょーしのってんなこのヤロウ! ちょーっと運よく勝ったからってよーぉ! いつまでも、一人天下だと思うなよ? 何故ならオレは日々ネットで鍛えているからな!! もう場の流れってやつ? 読めちゃうんだよね。俺ギャンブラーに向いてるかも」
「止めとけ、海に沈むぞザコ」
通路を挟んで隣の席に座りながらユタカがアキラに言った。
確かに、アキラは仲間内で一番頭は悪い。
つまり弱い。
「馬鹿野郎!! 狂気の沙汰に足を突っ込まないでどうやって勝利を得るというのだ君は!」
「……漫画の読みすぎだな」
「こいつ、俺ん家にあるあの漫画全部貸せってこの前勝手に全部持って帰りやがったからね」
俺が呟くと、トイレ帰りのタクミがこっちにきて、そんな情報を提供した。
なるほど、漫画の影響か。
単純な奴だ。
「それってあれか? 鼻と顎がすんごいとんがってるやつ?」
「そーそれ! おれもこの前借りたけど、たしかに熱い。台詞全然無いからあっという間に読み終わるし」
「ナオフミも俺の次貸してやるよ! 一回読んどけって!」
「いや、あれ俺のな」
四人揃った途端騒がしくなる俺の席。
いや、退屈ではなくなったから俺としては皆がこの机の周りに集まってくれるのは嬉しい。
けど今、俺は眠いんだよ。眠い。スゴク。
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