鮮烈デビュー

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「そうだよ、例の動画、いまだに再生回数が増えてるからね。この前は、朝のワイドショーでも取り上げられてたし」  プリプリと怒りながら、一太がジャケットからスマートフォンを取り出す。サクサクと操作すると、例の動画――連続銃撃事件の実行犯の一人を逮捕した時の動画を再生させ、仲間たちに画面を向けた。 「一太さん……何回見せるんですか?」 「今さら恥ずかしがることないじゃん! コメントもたくさんついてるよ~。『この刑事さんイケメンすぎ!』『逮捕してほし~』『二人っきりで取り調べられたい!』だってさ! 『ちょっと捕まってくる!』って……大輔、全国のギャルを逮捕しに行ってあげたら?!」 「きゃ~、大輔くん、人気者~!」  一太は怒り、桂奈は思いきり面白がって大輔を冷やかす。  大輔は連日繰り返されるこのやり取りに、いい加減ウンザリしてため息を吐いた。特に一太の怒りは大きく、この動画が公開されてからというもの、大輔に対しての態度が――ひどい。 「アッタマ来るよな~! なんで大輔しか映ってないんだよ、この動画。俺もあの場にいたし、俺も村井を逮捕した一人なのにさ!」     
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