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膨らんでいた下半身が――みるみるしぼむ。
「あっおい! なんで萎えてんだよ、大輔!」
大輔の蕩けた顔が、サーッと真顔に戻る。
三日前、仮眠室でイチャイチャした時もこうだった。晃司は大輔を散々翻弄した挙句――。
「お前……いい加減、俺を抱けよ、この野郎!」
酷なことを言って突き放したのだ。
大輔は小さく息を吐いて、乱れた衣服を整え始めた。
「……ごめんなさい、晃司さん。どうしてもそれだけは出来る気がしなくて……」
穂積に煽られてから、晃司は大輔の童貞を狙うようになった。
大輔の童貞を狙う数多の男たちから大輔を守るため、晃司は自らのバックヴァージンを大輔に捧げると言い出したのだ。
シナシナになった自分自身をしまいながら、大輔は悲しげに肩を落とした。
(今日も、抱いてくれなかった……)
大輔は、晃司に早く抱いて欲しい。そして晃司もまた、大輔に抱かれたがるというおかしな状況に、二人は陥っていた。
「大輔はほんっとに強情だよな。一回俺を抱けばそれですむ話なんだぞ?」
「勝手なこと言わないでくださいよ! こ、晃司さんを抱かされる俺の身にもなってください!」
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