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私の気持ちなどつゆ知らず、委員長は話し合いを進行する。
「では、やりたい人が多いので多数決で決めます。全員、机に伏せてください。まず、莉奈さんが良いと思う人。次に…………最後に愛結美さんが良いと思う人。それでは顔を上げてください。」
私は多数決で、地味で影の薄い自分に多く票が入っているわけがないと思いながらも、ヒロイン役もいいかもしれないと心の隅で考えていた。
「では、結果を発表します。愛結美さんの投票数が1番多かったのでヒロイン役は愛結美さんにやってもらうことになりました。」
私は思わぬ結果に口をポカンと開ける。
「では、愛結美さん意気込みをどうぞ。」
「えっ、意気込み?!えっと、こんな大役はやったことがありませんが、精一杯頑張ります。」
突然のことにしどろもどろに意気込みを言うと自然と拍手が沸き起こる。
「すごいじゃん!愛結美、頑張ってね!」
「そ、そんな……無責任な……でも、やるからには頑張るよ。」
無責任な美鈴に応援され、私は中学校生活最後の文化祭でヒロイン役を演じることになった。
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