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「え!初恋の人に再会したの!?」
「ちょっと……声、大きいよ」
「あ、ごめん。だって樹、初恋の男のせいでトラウマ出来たんじゃなかった?」
「そうなんだよね……」
すすきのにある行きつけのバーに、大学の頃からの親友の金城小百合を呼び出した。
私は人見知りな性格のせいで、心を許せる友人が一人しかいない。
でも、友人が多い人のことを羨ましいとは思わない。
私のことを理解してくれる人が一人いれば、それでいい。
「どうすんのよ?仕事でまた会う機会あるんでしょ?」
「どうすれば避けられると思う?」
「いや、無理でしょ。諦めて正々堂々と立ち向かいな。マスター、私、次ジントニックね」
小百合は、ある意味男よりも男らしい。
いつ見ても、カッコいい女性だと思う。
仕事はアパレル関係で、エリアマネージャーとして多忙な日々を送っている。
小百合が男だったら、もしかしたら好きになっているかもしれない。
以前そう言ったら、本気で気持ち悪がられてしまった。
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