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会議室での打ち合わせは、二人きりの空間で行われた。
今回のブライダルの特集ページは全面的に彼が任されているらしい。
前回よりも順調に打ち合わせは進み、互いに意見を交換するなど有意義な時間を過ごすことが出来た。
彼は仕事に関する知識が、私よりも圧倒的に豊富だ。
何か聞けば、必ずどんなことでも答えてくれる。
正直、仕事をしている彼は素敵だと思う。
顔を合わせて言葉を交わすだけで、どれだけ仕事が出来るのかが伝わってくる。
うちの女子社員がエリイケ様と騒いでしまうのも、悔しいけど納得してしまう。
先ほど、コーヒーを運んできてくれた海堂出版の女子社員も、彼を尊敬している様子だった。
過去にあんな酷いことをされていなければ、仕事の姿勢以外にも魅力的だと思う部分はあったかもしれない。
「じゃあ、こんな感じでいいかな。出来れば次はプランナーも一人打ち合わせに参加してほしいんだけど」
「そうですね。会社に戻ったら、楢崎主任に話してみます」
きっと朝日さんとの打ち合わせなら、皆参加したいと張り切ってくれるだろう。
「では、また次回よろしくお願いします」
「まだ、時間ある?」
彼は席に座ったまま、既に立ち上がっていた私を見上げた。
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