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そして目を見合わせた私たちは、惹きつけられるように唇を重ねた。
何度も、何度も。
互いの熱を、忘れてしまわないように。
キスは次第に深く濃厚なものへと変わっていく。
その内、霧島くんの指先が私のシャツの中に侵入し、肌に触れた。
「あっ……」
「ごめん。止めてって言われても、もう止めれないから」
普段から冷静さを失うことのない彼の瞳には、熱が帯びていた。
「三ヶ月もあなたに触れられないのは、正直キツいどころじゃなかったんで」
「……うん。私も、触れてほしかった」
引かれたって構わない。
女だって、好きな人に対しては欲情する。
好きだから、身体を重ねたい。
繋がることで、言葉には出来ない愛が伝わる気がするから。
「変わってないですね」
「何が……?」
「無意識に俺を煽るとこ」
そこからはもう、目の前にいる彼のことしか見えなくなった。
二人の熱い吐息の音しか、聞こえなかった。
世界に二人だけのような感覚に陥った。
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