エピローグ

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東京と札幌。 飛行機なら、そこまで時間はかからない距離。 だから、すぐに会いに行けると思っていた。 でも、現実はそううまくはいかなかった。 四月に入り新しい企画が社内でスタートしたこともあり、休日返上で仕事をする日々が続いた。 それに加え、異動したばかりの霧島くんとなかなか休みが合わず、全く予定を組むことが出来なかった。 寂しくてどうしようもない夜は、電話で彼の声を聞くだけで胸が暖かくなる。 でも声を聞いてしまうと余計に会いたい気持ちが募ることに、離れてみてから初めて気が付いた。 強引に休みを合わせて会いに行ってしまおうか。 そう思っているときに、前島室長から打診された東京への出張。 私は即答で承諾した。 明日、霧島くんに会える。 久し振りに会う緊張と、久し振りに会える嬉しさと、少しの不安。 様々な感情が、胸の内を入り乱れる。 霧島くんはどんな表情で私を迎え入れるだろう。 嬉しいと思ってくれるだろうけれど、表情にはあまり出さないだろうな。 それとも、私の好きなあの柔らかい笑顔を見せてくれるだろうか。 出張に行くことをメールで伝えたときの反応は、いつも通り絵文字がなくシンプルな返答だった。 前日は結局いろいろ考えていたら眠れなくて、翌日東京に向かう途中の飛行機の中で熟睡してしまった。
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