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「相変わらずぼーっとしてますね」
「へ……」
「仕事中はそんな変な顔しないのに」
苛立つようなことを言われているはずなのに、その毒舌さえも何故だか今は胸にキュンときてしまう。
離れていると、余計に何もかもが愛しく思えるのかもしれない。
「へ、変な顔なんかしてないし」
「してましたよ。何考えてたんですか」
「……やっと本物に会えたと思ったら、嬉しくて仕方なかったの。私はいつだって仕事以外のときは……霧島くんのことばっかり考えてるよ」
紛れもない本心だ。
どこにいても、何をしていても、頭の片隅にはいつも彼がいる。
胸の奥にはいつも彼がいる。
私の中から霧島くんがいなくなることは、きっとない。
「あ、そうだ……ご飯どこ行く?お腹すいたよね?私は何でも食べれるから、霧島くんの行きたいお店に行こうよ」
「あー……、じゃあこの辺に旨いとこあるんで、そこ行きます?」
「うん、そこがいい!」
私のいない場所で、彼は普段どんな生活をしているのか。
東京ではどんなお店によく行くのか。
知りたいことなら、山ほどある。
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