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「それってつまり……家に連れて行ったら、帰したくなくなるからってこと?」
「……」
「あ、ごめん!違った?うわ、恥ずかしい……」
霧島くんの言いたいことがわかるようになったのだと、少しいい気になっていた。
あまり自分の都合のいいように言葉を解釈すると、今のように恥ずかしい目に遭う。
「違わないです」
「え……」
「正解だけど、いちいち口に出さなくていいですから」
「……」
相変わらずシャイな彼の姿が可愛くて、離れても変わっていないことが嬉しくて、彼の腕にギュッと抱きついた。
「何ですか」
「ううん、ただ幸せだなぁと思って」
何気ない日々が愛しく思える。
特別なことなんか、何もなくていい。
普通でいい。
ただこれからも、こんな風に幸せを感じる瞬間が沢山訪れてほしいと願う。
霧島くんの家に到着するまでの間、私たちは離れている時間を埋め尽くすかのように互いの毎日の日々について語り合った。
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