363人が本棚に入れています
本棚に追加
「そう。それでね、担当してくれたスタッフさんが本当に良い人で、ようやく式場が決まったんだ」
「あ、そ。良かったじゃん」
「でね、そのスタッフさんと話してるときに、冬汰の顔が浮かんだんだよね」
「は?」
「あ、冬汰には絶対この仕事向いてる!って直感で思ったの」
「お前、頭おかしくなったんじゃない?」
直感で俺に向いてると思ったとか、全く意味がわからない。
もともと天然なところはあったけど、ついにここまでおかしい発言をするようになったか。
「おかしくないし!そのこと棗くんに話したら、棗くんも共感してくれたもん」
「絶対嘘だろ」
「嘘じゃないってば!」
「じゃあ何、そのスタッフが俺に似てるとか?」
純が嘘をつけない性格だということは、もう長い付き合いだしよくわかっている。
だから、渋々話を聞いてやることにした。
「え、似てないよ。だってその人、女性だもん」
「じゃあ何なんだよ、その直感って」
「うーん、なんて言うのかな。うまく言えないけど……冬汰ってわかりづらいけど実はすごく優しいでしょ?人の話聞くの上手だし、相談に乗ってアドバイスするのも得意だし。それに冬汰、立ってる姿勢がすごく綺麗だし!」
「何だよそれ」
本気で呆れ返っている俺を見て、何故か彼女は得意気になりながらそのままの勢いで話し続けた。
最初のコメントを投稿しよう!