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か細く息を殺しながら喘ぐ声、息を荒げた呼吸音、何かを擦る音、汗やらの体液が飛び散る音。
そんな雑音が浜辺を支配していたからだ。
友人に押し倒された子はいつの間にか彼氏を加えた三人で体を重ねているし、一郎はキリコという船で大人への航海を開始している。
阿澄は憧れの人を押し倒していてその様子を悔し涙とともにおかずにする男性が二人。くれはは真島とイチャイチャしているし葵はいつぞやの覗き魔に襲われている。
葵はさすがにヤバい状況ではあるが異様な雰囲気にテンパった読子はそれに気付かなかった。
雰囲気に流されるまま膝で座り、壬生の水着を読子は下ろす。
「先輩……私達も……」
壬生は珍しく顔を赤くしたが読子には逆らわなかった。
最後まで進んで壬生が前髪をかき分けてキスをしてきたのに対して「直接見つめられたら恥ずかしい」と読子は気を失った。
浜辺で発情した他の人たちも同じ頃にはみな気絶して浜辺に寝そべっていた。
「はれ?」
気がつくと読子は店の座敷で目を覚ました。
真夏なのにエアコンが止まっていて汗でびっしょりである。
夢の記憶はおぼろげではあるが、憧れだったお兄さんとえっちなことをしたのは強烈に憶えている。あの行為は夢の中の話でありながら口の中には彼の熱さがまだ残っている。
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