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視線を泳がせるリュドラーの迷いを、ティティはやんわりとなだめる。
「性奴隷の奉仕は、相手が誰であろうと飼い主が望んだことなんだ。――それを覚えておかなくちゃいけないよ」
ゴクリと唾を飲み込んで、リュドラーは目を閉じる。
「君は性奴隷になると決めたんだろう? リュドラー」
その通りだと、リュドラーは己に言う。
(俺は幾度、覚悟を新たにするつもりだ? サヒサの不興を買うことになれば、トゥヒム様はどうなる。俺は、なんのために身を捧げると誓った? すべてはトゥヒム様の未来のため。それは俺のなによりの望みでもある)
――君はトゥヒムの命で僕に抱かれている。君は、間接的にトゥヒムに抱かれているんだ。
ティティの言葉を反芻し、リュドラーは左膝を持ち上げた。そちらも右とおなじにされたリュドラーは、尻をわずかに浮かせる恰好となった。
「目を開けて、リュドラー。自分の姿を見てごらん?」
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