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「んっ、う……、うう、う」
「リュドラーは口の中が好きなんだよね」
「んっ、んぅ」
指で舌を挟まれたり、上あごを猫の喉をあやすようにされたりするうち、リュドラーの肌は熱を増し、下肢に血液が集まった。鏡の中でも屈強な男が、しなやかな男に触れられて、股間を硬くさせている。
「ふ、んぅ、う、うう」
ふっとリュドラーの鼻を、なにかの香りがくすぐった。それはどこかで嗅いだことのある、甘い花の香りのようで――。
(これは、蜜酒の匂いか)
部屋に多量に置かれていた蜜酒とおなじ香りが、どこからか漂ってくる。それは肌の熱が上がれば上がるほど強くなり、リュドラーの理性をほどよく溶かした。
「ふふ。あのお酒、もう体に浸み込んでいたんだね」
あれにはやはり、なにか薬品が混ざっていたのかと、リュドラーはティティに目を向けた。
「だめだよ、リュドラー。ちゃんと鏡の自分を見て」
やさしく叱られ、リュドラーは視線を戻した。鏡の中の男は、陰茎の先端を濡らしていた。口内からティティの指が離れる。ティティは小瓶を手に取ってリュドラーの足元に座った。瓶の蓋が開くと、花の香りが強くなる。
「ちゃんと自分を見つめているんだよ、リュドラー」
言われるままに、リュドラーは持ち上がっている尻に小瓶がかたむけられるのを見た。とろみのある液体が尻にかかり、冷たさに身をこわばらせる。
「すぐに、熱くなるから」
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