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その声を合図に、リュドラーにたわむれていた青年たちは手を止めて立ち上がった。
「おまえたちは、それぞれで遊んでいたまえ」
サヒサの命に、青年たちは手足を絡ませ、濃艶な遊びをはじめた。衝撃的な光景に、トゥヒムは息を呑む。
「あれが、性奴隷の別の使い方だ。ああいうふうにショーをさせて、自らは手を触れない、という趣向を好む者もいる。もてなす相手に合わせて使い分けることも大切だよ、トゥヒム」
どう返事をしていいものか、トゥヒムは困った。商人というものは、ああいう光景にも平然としていなくてはならないものなのか。商売の知識だけでは成り立たない世界なのか。
「トゥヒム様」
ティティに呼ばれ、トゥヒムは我に返った。ティティが感情のない笑みを浮かべて、トゥヒムの手に紐を渡す。受け取ったトゥヒムは、紐のほかに小さな紙片があることに気がついた。手を開こうとすると、グッとティティに握られる。
(なんだ――?)
「さ、紐を引いてリュドラーをお呼びください」
ティティの言葉にうなずいて、トゥヒムは紐を引きつつ、サヒサの目に隠れてズボンのポケットに紙片を入れた。紐を引かれたリュドラーが、淫靡に濁った瞳でトゥヒムを見つめながら這ってくる。
「っ!」
その姿に、トゥヒムは思わず立ち上がった。背筋に劣情という名の電流が走り、トゥヒムの心臓をキリキリと苛む。
「ああ、リュドラー」
股間はズボンを突き破りそうなほど硬くなり、獰猛な欲情が腰のあたりにうずまいた。
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