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「トゥヒム様」
かすれた声で、リュドラーはトゥヒムを求めた。興奮に頬を染めたトゥヒムの清らかな瞳が艶めいている。すらりとした体に似つかわしくないほど力強く隆起している下肢を見て、リュドラーは飢えを覚えた。
「命じたまえ、トゥヒム」
サヒサに言われ、トゥヒムはとまどった。なにをどう命じるのかがわからない。
「わ、私は……」
足元にペタリと座ったリュドラーを見下ろし、トゥヒムは渦巻く欲望に混乱した。これほど淫靡で無防備なリュドラーに、なにをどう命ずればいいのか。性交経験の乏しいトゥヒムは、自分がなにを望んでいるのか把握しきれなかった。
「メイドに処理をさせるばかりで、ほかにはなにも知らないんだったな。――ならば、自分が変わりに命じてあげよう。さあ、トゥヒム。リュドラーの体はどこもかしこも準備が整っている。ティティがそのように仕上げてくれた。あとは君が、この甘く狂おしい菓子を肉体の望むまま、むさぼっていいのだよ。彼の口で慰められたいかね。それとも、彼を思うさま貫き、突き上げたいかね」
「貫きたい」
思うよりも先に、トゥヒムの唇から望みがあふれた。
「ほう?」
さも愉快だと言わんばかりに、サヒサが片方の眉を持ち上げる。
「だ、そうだ。リュドラー。君の主人に背を向けて、尻を持ち上げたまえ」
リュドラーはまっすぐにトゥヒムを見上げ、ほほえんだ。心臓が破れそうなほど鼓動が高まる。ティティに拓かれ、媚肉と化した部分にトゥヒムの情熱を受け入れる。幼少のころから守り育ててきた相手に、犯される。その事実に興奮する心を慈しみの微笑に変えて、リュドラーはサヒサに命じられたポーズを取った。
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