貫く

7/7
前へ
/242ページ
次へ
 肌を震わせ尻を突き出すリュドラーに、トゥヒムはめまいを覚えた。興奮のあまり気を失ってしまいそうだ。身動きの取れないトゥヒムの腰に、ティティの手が伸びる。ベルトを外され、下着ごとズボンをおろされたトゥヒムは、そっと尻を押されて前に出た。 「さあ、彼の身も心も文字通り、君のものにしてしまうがいい」  笑いに震えたサヒサの声は、さながら悪魔のささやきだった。耳奥にまで響く心音に背中を押され、トゥヒムはリュドラーの尻を掴んで開いた。ヒクヒクと動くちいさな花が、そこにある。ティティがトゥヒムの陰茎に手を添えて、先端をリュドラーの秘孔にあてた。リュドラーがビクリと震え、先端をかすめた刺激にトゥヒムがうなる。 「準備は整っております。どうぞ、ご随意に」  ゴクリとつばを飲み込んで、トゥヒムはリュドラーを見た。こんなにちいさな場所に入るのだろうか。 「あっ、ああーっ!」  高い声に驚いて、トゥヒムは顔を上げた。意識の外にあった青年たちの姿が目に入る。いまの声は、ある青年が別の青年に突き上げられた叫びだった。しっかりと繋がっている姿を見て、トゥヒムは唇を引き結ぶ。 (入るのか)  あんなふうに、私とリュドラーは繋がるのか。そう思うと、心がとろけそうに熱くなった。身も心も君のものに、というサヒサの声が頭の中に鳴り響く。 「リュドラー」  トゥヒムはつぶやき、ひと息に己の騎士であり性奴隷でもある男を肉欲で貫いた。
/242ページ

最初のコメントを投稿しよう!

738人が本棚に入れています
本棚に追加