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「ぐっ、う……、は、ぁあ」
指や道具とは全く違った質量にリュドラーはうめいた。熱く脈打つものに内壁を擦られ、肺腑からうめきがあふれて止まらない。
「は、ああっ、ああ」
嬌声に耳を打たれたトゥヒムは、夢中になってリュドラーを犯した。
突くたびにリュドラーの喉から蠱惑的な啼き声がほとばしる。我を忘れたトゥヒムは、ガツガツと腰を打ち当てた。絡まる媚肉はトゥヒムの熱をさらに高めて奥へと導き、薄暗い渇望が貪欲にリュドラーを食らえと促してくる。
「ああ、リュドラー」
熱にかすれた息を背中で聞いて、リュドラーの腰は獣欲に震えた。
(トゥヒム様が俺を感じている……、俺で快楽を味わっておられる)
胸が熱くなる。喜びに満たされたリュドラーは、犬が尾を振るがごとく腰を振りたてた。
「あっ、あぁ、はっ、はぁあ、あっ、あ」
貫かれることを知ったリュドラーと、貫くことを知ったトゥヒムが、汗を吹き出しむさぼりあう姿に愉悦を得たサヒサは唇をゆがめた。指先でティティを呼んだサヒサは、細く引き締まった腰を抱き寄せて膝に乗せ、形のいい耳に息を吹きかける。
「見たまえ、ティティ。騎士が主に食われている。――いや。主が騎士に食われている、と言うべきか。なんとも愛らしい光景だとは思わないかね。どちらも夢中で、まるで獣だ。いや、そうだな。もっと彼等の無垢さに添った表現をしたいところだが」
目顔で促され、ティティは口を開いた。
「お菓子をむさぼる幼い者たち……」
「ああ、そうだ。それがいいな。それにしよう。リュドラーは命を賭して守ると決めた愛しい主を。トゥヒムは常に傍にいた、たくましくも頼もしい騎士を。それぞれ心の底からむさぼっている。――隠されていた欲望がつまびらかにされる瞬間というのは、なんともうつくしい光景だ。そう思うだろう? ティティ」
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