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従僕を追い出し、ふたりきりになったティティはほのかな笑みを乗せた唇で、眠るリュドラーの額を撫でた。
「かわいいね。君も、主も。――本当に、かわいくてキレイで、どうしようもなくうらやましいよ」
聞こえぬささやきを耳に吹き込み、ティティはそっとリュドラーに寄り添った。
「君たちを助けてあげるかわりに、僕の望みを叶えてもらう。君の主はきっと同意をしてくれるだろう。そうなれば君も必ず協力をする。――僕たちにとって、すばらしい未来を創ろうじゃないか。ねえ、リュドラー」
リュドラーを抱きしめたティティは、トゥヒムに渡した紙片の効果を思って、クスクスと少女のように笑い続けた。
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