第一章

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「またすぐに帰ってきて……。お友達はどうしたの?」 「要らないよ。それより寝てなよ、まだご飯まで時間かかるから」 「ずっと寝てたもの。もう疲れました」 「あぁ、もう」  起き上がってふらふらと歩き出す。いつも心配で仕方なかった。 「何、本?取ってくるから座ってなよ」 「今は歩きたい気分なの」 「何それ」  俺はそっと駆け寄って手を差し出した。渋々ながら、俺の手を取る。
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