第一章

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 椅子に座って本ばかり読む母は、種族の中でも高名な呪術師だった。 魔力の象徴とされる、二本の角は、その名を冠するように大きく荘厳だ。 そんな母は半年に一度は、村で行われる集会で講師に呼ばれる。 その時に、その村で住むダークエルフの王族も来ると言うと、 馬鹿でも凄い人なんだな、と思うだろう。 母は、俺の自慢で、誇りだった。 残念ながら、今のところ俺に角は生えていない。
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