第一章

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 その代償か、母は大層体が弱かった。 一人で一日外出しようものなら五日は寝込む。 軽い病気にかかると意識を失う。 ストレスで倒れる。 半年に一度の集会に向かえば、三日は筋肉痛になる。 母の虚弱体質を挙げたらキリがない。 毎日家に帰って、生存を確認するまで気が気でない。 おまけに危機感や懐疑心が無いのかと言うくらい、警戒心に欠けていた。 今までどうやって生きてきたのかが、正直言って疑問だ。
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