第一章

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しかし残念ながら、母と俺はその川が穏やかになる、村のはずれに住んでいた。 最も大きな理由は別にあるが、母の体の弱さも一つの理由だった。 入り組んだ樹海と人々の往来や喧騒は、母には少し酷だったからだ。 尤も、半年に一度の集会の際には苦労をするのだが。 余談ではあるが、この家は村に入っていないらしい。 何でも、王族の屋敷が中心にならないからだそうだ。 まさしく村のはずれという表現が的を得ていた。
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