初恋

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何故、オレは忘れていたのか。 それは、うだるような暑い夏の日。 高校最後の文化祭の準備のため、夏休み中にも関わらず学校に呼び出された。 人数が集まったせいか、準備は、あっという間に終了してしまった。 何故、オレは教室にいたのか。 開け放した窓からは、一向に風が入らない教室に、何故いたのか。 じめっとしているのは、空気なのか、自分の汗なのか。 眠気に負けて机に突っ伏してみたものの、あまりの暑さに夢と現実を行ったり来たりしていた。と思う。 どこからが夢なのか。 どこからが現実なのか。 少なからず、蝉がうるさかったのは現実だったはずだ。 汗が額から腕をつたい、机を濡らす。 暑い。 喉が、渇いた。 「…はぁ…」 喉が、渇いた。 「…んぅ…」 水…飲みたい。 夢うつつの中、喉の乾きに耐えられず、体を起こす。 「…!」 目の前に、アイツがいた。
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