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「ちょっと、かな!」 背中に痛みを感じ、私は目を覚ました。そこはいつもと変わらない塾の教室だった。涙でノートはぐしゃぐしゃだった。夢だったことに少し安心する。あまりにもリアルで少し手が震えてる。 隣に座っていた理央はすでに帰る準備が整っていた。 「かな、どんだけ寝てんの?」 「え、あたしどのくらい寝てた?」 次々と生徒が帰っていく。もう時計は21時を回っていた。 「授業始まる前からボーっとしてた」 理央は面白そうに笑った。それにつられて全然面白くはなかったけど私も笑った。その方が悪いことを考えなくてすみそうだったから。 「帰ろっか」 「うん」 私たちは教室を出た。雲に隠れて見えない月の代わりに街灯がコンクリートの道を照らしてくれた。 明日、ちーに会いに行こう。会って話して、笑い合おう。好きって言うのはまた今度。 「私たち、幸せだよね」 「うん」 私は真っ黒な夜空を見上げた。 白いチョークでラブレター書いたら、君にも届くかな。
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