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私はボールが怖い。
置いてあるのを触るのは全く怖くなかったし、むしろそっと投げて跳ねていくボールは面白いものだった。
でも誰かが投げたボールはその時とは全く違っていて、乱暴で、恐ろしいものにかわった。
いつもの公園では子供たちが声をあげて楽しそうに遊んでいる。そばで、母のつくってくれた大好きなウサギの人形を大事に抱えながら私はその様子を見つめる。
子供たちの間を飛び交うボール。
それを目で追いながら、1人の男の子を目で追う。その子が笑ってる顔を見るとお腹のあたりがきゅっとして少し痛い。
いつもは私と遊んでくれるのに、今日は私が公園に来たことに気づいていないみたいだ。
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