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窓から入り込んだ日の光が眩しく、私は目を覚ます。泣き疲れたのか、いつの間にか寝てしまっていた。やっぱり朝は来ていて、昨日置きっぱなしにした手紙は机の上に存在していた。昨日のことが夢だったらよかったのに。 今日は待ちに待った終業式の日で、夏休みが始まる日。だけど私はなんだか気が重かった。誰もいない通学路をわざと大股で歩いてみた。夏の風が横を通り抜ける。 ああ、今日もいい天気だ。 学校が見えてきたところでポケットに入れていたケータイが私を急かすかのように音を鳴らしはじめた。 ……2回。 私は向きを変えると息が辛くなるのも構わずに思い切り走った。
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