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「かな」 少しだけ目を開けたちーは苦しそうに私を呼んだ。 「なに?」 「お前、手紙読んだだろ」 「うん…読んじゃった」 「渡せよ、ちゃんと」 ときどき苦しそうに息をするちーを見ていたら、急に「死」というものを実感して涙が出そうになった。口をきゅっと結んで歯をくいしばる。泣いた顔を見られたくなくて私はくるりと向きを変えてそっけなく言った。 「わかってるってば…」 私は南さんに学校があることを告げるとそのまま病院を出た。今日は終業式だけだったので、早い時間に帰ることが出来た。 急いで病院に向かっている途中でふと、茅月の手紙のことを思い出した。確か、まだ私の机の上だ。早く病院に行きたい気持ちを抑えて、私は家へと走った。
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